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出産記 【破水編】

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予定日2週間前の38週0日検診の時点で、
私の赤ちゃんの準備状態は「全然出てくる気配なし」という診断結果だった。

重さも、その時点で2400gと平均に比べれば小さい上、
臨月妊婦の界隈で”内診グリグリ”という俗称にて恐れられている、
それはそれは激しく苛烈な内診が行われた結果も、
「全然赤ちゃん下りてきてないね、こりゃあまだまだ先だわ(笑)」
という、正産期に入ってピリピリ気味のこちらが拍子抜けするようなものだった。



予定日までまだ2週間はあったというものの、
その時点で赤ちゃんが全然下りてきてくれていないのは、私にとっても些か心配だった。
ということで、次の日から、赤ちゃんを下げるのに効果があると噂される対処を、
軒並み実践してみるという、アグレッシブな行動力の発揮に打って出てみた。



1.ツボ押し
  三陰交という、脛の内側の、くるぶしから指4本分上のところにあるツボ。
  陣痛促進や安産といった効果の期待できるツボということで、
  「刺激の強いツボなため、お医者さんや鍼灸師に相談の上押しましょう」
  などという慎重派の記述もネット上では散見したものの、
  なにせ私は、医師に「まだまだ先だわ(笑)」と太鼓判を押された過産予備軍。
  躊躇せずに刺激してみたが、押し込んだ親指の跡が数十分そのまま残り、
  顕著すぎる脚のむくみをまざまざと思い知らされたことにより、若干落ち込んで終了。  


2.スクワット
  普通のスクワットだと筋力を使いすぎるため、
  妊婦さん用の軟弱スクワットも存在するとのこと。
  しかし動画を見てもいまいち概要がわからなかったため、普通スクワットで実践。
  一日当たり、10回×3セットが効果的、というような情報もあったものの、
  軟弱スクワットと普通スクワットの負担差を考慮し、10回×1セットだけでやめておいた。


3.階段上り下り
  アピタに買い物に行った際、ふと、
  階段上り下りも効果的だったことを思い出し、
  車を止めた屋上駐車場から1階までを往復上り下り。


4.オロナミンC
  陣痛待ちの妊婦さんの間で、都市伝説よろしく有効性がささやかれている、
  謎のアイテム。
  その効能に対しての医学的な根拠は一切ないものの、
  「飲んだら陣痛が来ました!」と報告する妊婦が後を絶たないのは、
  単純に、陣痛待ち(イコールいつ陣痛がきてもおかしくない)の方々に、
  来るべき時に陣痛が来ただけという話であって、
  別にその時飲んだのがオロナミンCだろうがリポビタンDだろうが
  結果としては変わらなかったのだろうが、
  「よい」とされているものであれば藁にも縋りたいというのが、
  切羽詰まった人々の心理というものなのだろう。
  私はそこまで切羽詰まってはいるわけではなかったが、その情報を知った次の日、
  たまたまスーパーで見かけたので、ゲン担ぎ、もしくはネタという観点から、
  とかく深い意味は持たずに試してみたのであった。
  




38週検診から2日後。
入籍後にまだ免許証の氏名変更をしていなかった私は、
母と共に午前中から免許センターへ出向き、昼までかかって免許証を変更した後、
聖籠のPLANT5で、この翌日に作ろうと思っていたベーグルの材料を買ったり、
ついでにそこでオロナミンCを買って車内で飲み干したり、
東区の激混みパン屋に行って、そこのカフェスペースで、買ったベーグルを2個も食べたり、
その後、結局PLANT5では手に入らなかったベーグル材料を求めて
アピタまで行き、階段上り下りした上に、
家に帰ってきて夕食を作って、日課と化していたウォーキング1時間へ出かけ、
更にお風呂後に三交陰のツボ押しとスクワット10回を試したりと、
やけにベーグル色が濃いものの、なかなか多忙に過ごしていた一日だった。


そのまま、忙しくも穏やかな日常として終わる一日になるはずだったが、
急展開を迎えたのは、日付が変わった深夜のことだった。



ちょうど、寝る支度を終えてNORIさんと電話中だった私は、
上記の”赤ちゃん下がり対策”についての実施項目をひとしきり報告した後、
「まあ、全然まだまだだね。予定日も大幅に超えるねコレ。
 なんてったって下がってきてないからねこの子。
 下手したらお盆前ぐらいになるんじゃないのたぶん」
などと、寝っころがりながらうそぶいていたところだった。

そんな中、突然、水っぽい何かが体内より流れ出る感覚が。


最初は、「?」程度にしか思わず、お手洗いに確認しにいってみると、
確かに”水”としか形容しようのない何かが出たような形跡はあるものの、
あまりに少量で終わったので、とても破水とは思えず。

首をかしげながら部屋へ戻り、「私、謎の水出しちゃった(笑)」と余裕綽々で
再び寝っころがり、電話を続けていたところ、
その数分後、
今度は明らかに大量と呼べそうな勢いの水の流出の感触。

さすがに焦って再確認すると、出るわ出るわのお水垂れ流し状態。


形状は完全に水。
無色透明無味無臭。(味わってはいない)
そして自力では全然止められない。


これは……
どう考えても……


破水だ……!!




ここまでの流れでお察しいただける通り、心の準備は微塵もしていなかった私なので、
突然の事態に混乱はしたものの、幸いなことに現実的な入院用品の準備等はできていた。
電話口で「え!生まれるの!生まれるの!」とやけに楽しそうな余裕NORIさんとの
通話を一旦終了し、急いで支度、その後病院へ電話連絡。


「破水の場合はそのまま入院になりますので入院の荷物もお持ちください」

という助産師さんの言葉で、
まだまだ先だと思っていたはずの「出産」が、一気に差し迫ったという現実を思い知らされた。




この時点で深夜1:40。
寝ていた家族を起こし、家から10分のかかりつけ総合病院へ到着したのはジャスト2:00。


産婦人科の階に向かうと、2:00という丑三つ時真っ盛りの時間にも関わらず、
ロビーの椅子には3~4人の人影が。

中にはあからさまに苦しんでいる様子の妊婦さんなどもおり、
あまりにも平然とした様子で
母と談笑までしている自分自身に、何故かうしろめたい気持ちを覚えたりもした。
ちなみにその妊婦さんは、どうやら、本陣痛だと思って来てみたらまだ前駆陣痛だったようで、
その後、「痛いよう、痛いよう」と半泣き状態のまま家へ帰されていたので、
その横を、ハーフパンツにTシャツという、およそ緊迫した状態の妊婦とは思えない、
田舎のヤンキーさながらの軽装で、
元気に診察室へ向かうのは少し気が引けるものがあった。



内診の結果は、確かに破水だった。

前期破水の場合は、遅くとも24時間以内には陣痛が始まるとのことなので、
そのまま入院の流れとなったものの、
書類の提出や入院に際しての説明等といった手続きについて、
なぜかそのまま、内診室のベッドの上の私に対して始める助産師さん。

「ごめんなさいね~、今、混んでいて、陣痛室が埋まってるのよねえ」
という言い訳を口にしていたが、
その時点の私は陣痛が始まってもいないのだから、
陣痛室が埋まってようが空いていようが関係の無いことのはず。

なぜ陣痛室の話??と思っているうちに説明も終わり、
残すは病室へ案内してもらうのみ。
にも関わらず、助産師さんは何故かまごまごと行ったり来たりを繰り返すのみで、
一向に診察台から移動させてくれる気配がない。

というかそれ以前に、なぜ、この込み入った入院説明を、
ゆっくりできる病室へ案内した後でやってくれなかったのか?

などと疑問に感じ始めた頃になって、ようやく、
「じゃあ病室へ行きましょうか」と進展があったものの、彼女からは続けて

「ごめんなさいね~、今、混んでいて、病室も埋まっているのよねぇ」という衝撃の一言が。




ま、

満床!!!



ベトナムに居る時点から、
最初はメールで問い合わせをし、
「当病院は満床にはなりませんので分娩予約は必要ありません」という
根拠不明の自信に満ちた回答をもらい、
それがあまりにも不安だったので、その後電話でもリコンファームをして
同様の返答をもらっていたというのに、まさかの満床!!




どうなる私!

ベトナムのローカル病院さながら、
待合室での出産という壮絶体験をしてしまうのだろうか!!




苛烈な後半戦、陣痛編へ続く。


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