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画像は本文とちょっと関係あります。(この日のお昼場所の、充実した調味料たち)

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日頃より大変お世話になっている、アニメ監督芦名みのる氏の取り計らいにより、
今月よりベトナムの日系テレビ局ViewTVさんにて放映される、
彼監督の茨城ご当地アニメーション 「あぐかる」 の お遊び声優枠にお呼びいただきまして、
先月某日、当然のことながら人生初の、ベトナムアニメアフレコ現場というものに参加、
なかなか壮絶かつ濃厚な人生経験を、また一つ積むことができました。


アフレコ当日は、日本のとっても有名なアニメ音響監督Y氏も同伴の上で進められた上、
みのる先生の、普段は垣間見ることのできない、「仕事モード」 なスタンスも溢れ、
更に、先に収録していたベトナム人声優さんの段取りがいまいちうまく進まない状況、
という流れもあり、なんというか、久しぶりに、というか、ここ数年ぶりに
「ガチ緊張」 というか、「心の閉塞状態」 のような完全なる空気の強張りが、
自分の中に生み出されるのを感じる、
なかなか稀有な張り詰め体験をさせていただきました。

肝心の私の仕事ぶりに関しては、
現場で、みのる氏もY氏も途中で呆れてお手上げ状態になりかけるレベルの、
それはそれは本当にありがとうございましたとしか言いようのない、
大変な結果を産んでしまったわけですが、
それについては本当にありがとうございましたとしかもはや言いようがありませんので、
とりあえず本当にありがとうございましたとしかもはや言いようがありません。
本当にありがとうございました。


同じくお遊び声優枠で呼んでいただいたNORIさんに関しては、
当初、話があった際に、「簡単なベトナム語だったら話せる」 という彼の自己申告により、
ワンフレーズ程度のベトナム語吹き替えをお願いします、という流れだったところ、
収録の1~2日前になって、
「外国人がベトナム語吹替をするのは、検閲に引っかかるので無理らしい」という連絡が。
というわけで、
ベトナム語ではないセリフがちょっとあるキャラクターの吹替にしましょう、ということになり、
収録前の昼食の段階でも、完全にそういう話題で盛り上がっていたにもかかわらず、
実際スタジオ到着後、
TV局スタッフの方から彼が渡された 「台本」 には、下記のセリフの記載が。

飛行機操縦士 「無理です!離陸できません!(ベトナム語)」
飛行機操縦士 「発射できません!困りました!(ベトナム語)」

……難しい!
ていうかちょっと長い!
そして2つもある!
あと、セリフはうろ覚え!
発射ってなんだろうミサイル搭載の戦闘機だったのかな、とか思いましたが、
とりあえずご本人に確認したらそうおっしゃっていたのでそのまま書きました!


しかも 「ちょっとでも外国人ぽい発音だと、絶対検閲でハジかれるんで、
     完全に100%ネイティブっぽい発音でお願いします」 とか言われてました。

そりゃあ、彼の目が点になるのも当然の話だと思いますけれど、本来であれば、
まず本人のモチベーション的な意味で不可能になりかけそうなこのミッションに対し、
ものの20~30分の発音練習 (どこか違う場所で特訓してきた)の後、
一節では 「世界で最も難しい発音言語」 などともいわれるベトナム語を、
前述の通りの張り詰め空間で、総勢10数人のネイティブベトナム人の目に晒されている中、
OKが出るまで延々延々延々延々トライし続けるという、
もう、今、文章を書いているだけでだんだん冷や汗が出てきそうな、
過酷な精神鍛錬の域ともいるシチュエーションをやり遂げたのは、
なかなか尊敬に値する心臓だと思います。

ベトナム人声優さんの助けもあって、
トライするごとにどんどんベトナム語っぽくなっていったのですけど、

日本人  「お、今のいい感じじゃない?」
通訳さん 「全然ですね!!」

日本人  「あれ、これ良いんじゃない?」
通訳さん 「ガイジンっぽいですね!」

日本人  「もう今のOKなんじゃない!?」
通訳さん 「鼻で笑っちゃいますね!」

といった終盤の応酬もあり、
もうだんだん、NORIが単純に通訳さんに嫌われてるだけなんじゃないかとか
一瞬思ったりもしたりしなかったりなんですけど、
まあ実際はそういうわけでは全然なくて、本当に、ベトナム語というのは、
それだけ、絶妙な上がり下がりの違いだけで意味の変わるような言語なわけで、
それを20分でネイティブなみに話せというのは、それはそれは至難の業であるわけです。

というわけで、結局、
監督もスタッフさんも大変な労力を割いてお付き合いいただいたにも関わらず、
収録終了時点では 「通るか微妙だけどとりあえず検閲かけてみるわ、
              ダメだったら違うヤツで吹き替えとくから(笑)」 という、
まあそりゃあそうですよね!ていうかこれ使われる可能性至極極薄なんじゃね!
という予感ばかりがよぎる、
なかなかのスリリングなフィニッシュを迎えることで、怒涛の収録を終えたのでした。


ところでNORIさんはこの後、この日の極度のプレッシャーと緊張により、
過敏性腸症候群を発症し、ここから続いた日本一時帰国中、
美味しいものも何も食べれない切ない日本滞在を送ったとのことです。

とても貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございます!
あぐかるはキャラクターもかわいいし、日本の農業の勉強にもなる素敵なアニメですので、
ベトナムの皆さんにも幅広く人気が出ますことをお祈りしております!



ちなみに、私の吹替については検閲の可能性はないので、本日放送されます。
なぜなら、役柄がカッパちゃんで、ベトナム語は一切出てこないからです。

カッパカパカッパー!


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