曼珠沙華

Der Vogel kämpft sich aus dem Ei.

2014年03月の記事

音源サルベイジ その②



【人は花のごとく散る】 (ダウニー)







MP3




今日も煌びやかな 壁と詩と嘘と
濁った予感の中 埋もれていく

聴けない声を聴いて 見えないものを見る
許されないことばかり 思ってしまう

せめて 僅かな憐みを
せめて言葉を
かけてくれたなら
帰れたのに


視界はどこも寒い 日々はいつも重い
これ以上自分自身を 欺けない

殺されかけの栄華 没落を前に
見捨てるくらいなら 共に死のう


いつか戻れる場所だった貴女からすら
拒まれるのなら
意味は尽きた


さようなら 憎んだすべて
愛したすべて
花はただ咲いて
無駄に散った


次の季節には咲かないだろう


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デモ音源も録った曲ですが、ここはひとつ、ライブ版をサルベイジ。


私は「アコースティックならではの表現」という感覚を、
人生初アコースティックユニットであったダウニーの場面で初めて覚え、
それ以来、ことダウニーにおいては、
「アコースティックだからこその曲、歌詞、空気」といったものに重きを置きつつ
活動してきたのですが、それをあまり解さない、根っからのバンドマン
(例:Rの当時B担当の某Kさんなど)からは、割と顔を合わせるたびに
「ダウニーのバンド版見たいよねー、早くバンド版始動させてよね」などといった
感想・意見を頂戴することが常となっており、
そして毎回、それを右から左へと華麗に聞き流すことが通例だった私だったのですが、
そんな私が、ダウニー曲の中で、唯一「バンド版やりたい」と強く思っていた曲、
それがこの曲です。
長い、言いたいことにたどり着くまでの道筋が長い。

ちなみにバンド版については、今でもやりたいと思っております。
この曲だけは。
しかし全体的に最初から最後までキーが低いメロディラインですので、
果たして厚い音の中でボーカルを通すことができるかといわれると、
そのへんは至極微妙な線だというのが、現実的な観点の印象でもあります。



これは、曲をギター智さん、歌詞を私が書いた、一番多い割り振りパターンの歌。
とかく私は、この曲の歌詞を大変に気に入っております。

ダウニーの曲の中、更に私が歌詞を書いたものの中でも、
大きく分けるとその種類は、以下のとおり2つあります。

① ダウニーをはじめてから「曲にするために」書いた もの
② ダウニーをはじめてもいない頃に「詩として」書いた もの

考えてみると、私はもともと歌のためではなく詩を書く性質の人間なので、
言いたいことがその通りに言えていたり、選びたい単語がうまく選べていたりするのは、
「曲」という制限のつかない②の方が圧倒的に多いのが実際のところです。
しかし、その完成度を「詩」という観点で見ずに
「歌」という全体像からして捉えてみると、
やはり曲と詩との2つが組み合わさることで成り立つ「歌」の場合は、
「歌」に成りうることを念頭に置いてひねり出された①の詩のほうが、
馴染み方としても、出来上がりとしても、「ダウニー」にはしっくりくるのです。


というわけで、そんな①の製法にて、もらった曲へ歌詞後付タイプだったこの曲。


以前にも、この場で同じことを主張としてしたためた記憶がありますが、
「歌」の歌詞の場合、私は、
楽曲後半部分の「ブリッジ部分」、もしくはその箇所が存在しない曲構成の際は、
「大サビ前の最終Aメロ部分」へ対する重要性を、常から必要以上に抱いている人間です。

それが私にとってどれぐらいの重さであるのかというと、割と大げさでなく、
「そこの数行の歌詞で、歌全体の言いたいことをぜんぶまとめている」と思っているほど。
言い方をライトな感じに変えると、要は「テーマ」ですね。
何らかの理由で、その部分以外の歌詞を変えざるを得なくなったとしても仕方ないけど、
その部分だけは、変えちゃったらもうその曲として成立し得ない、
そんな考え方を抱けるほど、私にとっては本当に重要な部分。


この曲は、それこそ、その部分が完全なる核となっている作りです。

演奏するたび、そこの言葉が近づいてくるほどに、

私の心は、私ではない、いつかの人の、
すべてを鎖された絶望に、少しずつ染み始め、
諦め以外の選択を知ることすらできなかった命の嘆きの音を、
降るようなギターの響きの連続にかき消されながら、
「貴女」を狂おしく思って、そして燃えるように恨んでいくのです。


そういった理由からか、
その部分の直前、間奏のギターの音色は、
私にとって、いつも重くて、そして恐ろしいです。
それを聴きながら座っていた時は、ライブハウスのライトの下に居たはずなのに、
どう思い返してみても、そこの記憶はいつだって真っ暗なのです。













そのような感じで、私の中でも大事に捉えている大事な楽曲であるわけですが、
今この記事を書いていてふと思ったことがあるのだけれど、

オリジナル曲を演奏していると、大体お客さんから好意的な感想をいただく曲って、
割と集中する傾向にあるような気がしているんですけどね。
ダウニーだと、主に、Planets、Ekho、黒い雨ね。
大体ココね。

その点、この「人は花のごとく散る」って、



好意的な感想どころか、普通の感想についても、

何か誰かから一言でも聞いた記憶が、


ぜんぜん無いんですけど








がんばって思い出そうとしてみたけど やっぱ無いわ



ちょっと皆 一応これデモCD入ってるんですからね 
つまり割と気に入ってるってことですよ やってる人たちは 
ちょっとあなたたち
要リベンジだな これは


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