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最近見た映画 (フランコ兄弟の巻)

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ブログの管理画面を眺めていたら、
カテゴリ「映画」の日記が、もう1年以上も書かれていないことに気がつきました。
きつねさんの記事を最後に、ぱったりと筆が止まっております。


そのようなことから、かつて、
自宅に映画専門チャンネルの引かれていた時代に比べると、現在は、
日ごろ、映画を見られる機会自体が減っているのかと思ってしまいそうなのですが、
実を言うと、そんなこともないのです。
というよりむしろ、ベトナムに来てからは、
日本に居た頃よりも、日常的に映画に触れる頻度は間違いなく上がっています。


私は見た映画をいつも日記につけているため、今、
ベトナムにおいて鑑賞した映画の本数を数えてみたところ、
一番多い月(4月)で、一ヶ月に22本を見ていました。
次点は8月で19本。
その他の月も、それにほぼ追随。

見る数が多いと、その分、
面白いものにも、面白くないものにも、それぞれたくさん出会いますが、
近頃見たなかで、印象の強かったものをいくつか挙げてみようかと思います。







◆Oz :The Great and Powerful
 (オズ はじまりの戦い)

OZ.jpg


「オズの魔法使い」の魔法使いオズを主人公として、
ドロシー達がたどり着くよりも前のオズの国を描いたディズニー作品。


これは、映画館で見ることで、その映像美がより威力を持つのだろうと思います。
何と言っても、色彩の鮮やかさが圧巻。
同系列として、ディズニーのファンタジーとしては
「アリス・イン・ワンダーランド」などがありますが、
異世界の作り方としては、アリスよりずっと上手く完成している気がしました。


主人公のオスカー・ディグズ(ジェームズ・フランコ)は、
「オズの国を救う偉大な魔法使い」として国に語り継がれた予言の人物として、
この世界に降り立ちますが、その実態は、
ただの胡散臭くてチャラい、女好きの奇術使いペテン師。


はじめはフランコさんではない役者が続々オファーされていたところ、
軒並み折り合いがあわず、
めぐりめぐって、依頼が彼までやってきたという話もありますが……
そんな噂を聞いてしまうと、
製作側からすると妥協の末のキャスティングだったのではという、
余計な懸念を抱えながらの視点になってしまいましたけれど、
封が切られてみれば、世間では割合好評のようだったので、
結果よければすべてよしですね。

コミカルな演技もできて、
この役を演じる際に必要であろう、絶妙なノリの軽さも元々併せ持っているので、
なんだかんだで、オズ役には適役だったし、
違和感を覚えるようなところは、どこも無かったのですが、
しかし個人的には……
フランコさんの魅力が完全に発揮されているという
状態の単位を100フランコとするならば、
今回のオスカー・ディグズは、74フランコといったところ。


少し脱線しますが、フランコさん出演映画の中で、
私の好きなものにランクをつけるならば、下記の通り。

「トリスタンとイゾルデ」 99フランコ
「スモーキング・ハイ」  98フランコ
「ロード・オブ・クエスト」 97フランコ

また、その他出演作のうち、有名なところでいうと、

「スパイダーマンシリーズ」69フランコ
「127時間」          68フランコ
「猿の惑星:創世記」    41フランコ


あえて役の系統を分類するのであれば、
トリスタンとイゾルデ・スパイダーマン・猿の惑星 (真面目堅物タイプ)と
スモーキングハイ・127時間 (陽気ハイテンション向こう見ずタイプ)
とに分かれていますから、
こうして見ると、役柄の方向性と、私の好みに、
必ずしも同一の傾向があるわけでもないということが判明します。

ちなみに、「ロード・オブ・クエスト」は、
(容姿端麗な優等生王子様で天然ボケの阿呆タイプ)、という、
他に類型を見出すことが難しい特殊キャラクターとなっておりますので、別枠。




しかし今回のオズに関しては、
主演なだけあって、画面へクローズアップされること多々、
キャラを立たせた演技や表情がたくさん見せてもらえることはいいのですが、
なんというか……全体的に……
クリーンすぎるんですよね。
性格的には「善良さ」の足りない欠陥だらけの人間であるはずなのに、
そういう輩が匂わせる、汚さやら影やらいやらしさやらに欠けるというか……。

思うに、これも、
配給:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ 
という点が、少なからず影響しているような……。


出だしの時点から感じていたことで、
実はこれは実際に見てみて意外だったのですが、
フランコさんは、ディズニー世界に溶け込むには難しい性質の役者であると思います。
役の作りこみ方や演技力においては、
溶け込むにいたるまでの障害が無いにも関わらず、
どうも、映画の中でそれが完全なものとして捉えられないことから考えるに、
もともと持っている本質が、ディズニーのそれとは相容れないのではないでしょうか。

「魔法にかけられて」のエイミー・アダムスとジェームス・マースデンなどは、
入り込み方も馴染み込み方も異様なものがありましたけれど。


ちなみに、当初フランコさんの前にオズ役のオファーがいったらしい、
近頃ディズニーづいているジョニー・デップあたりも、
あまりディズニー属性を感じとることのできない役者の一人です。
とはいっても、「パイレーツオブカリビアン」も、「アリスインワンダーランド」も、
「オズ」や「魔法にかけられて」のように
「ディズニーアニメの世界感をそのまま実写にしました!」
というコンセプトではないので、さほどの問題もなかったように思いますが。
最新作「ローンレンジャー」は、見ていないから、わからないですけどね。




そういったわけで、
「悪いことは何もなかったけど、目だって良いわけでもなかった」という
中途半端な評価に終始する羽目となってしまった、今回のオズフランコ。

しかし、常日頃から、彼においては「騎士」もしくは「王」の役柄を
至上のものとして熱望し続けている私にとって、
若干路線外れとはいえ、
「王」として玉座へ一瞬でも腰を下ろす彼の姿を見ることができたのは、
ひとまず、少なくとも、眼福ではありました。

まあ、なんだかんだ言ったけど、
この映画中通して、純粋に見た目の面だけで言ったら、総じて良かった。
特に髪型が良かった。
あと、髭も良かった。
笑顔の表情が多かったのは、ダメ。
やっぱり笑顔はダメ。




しかしこのオズ、なかなか病的な女たらしの気があって、
映画開始後30分の時点で、
3人の女性とのキスシーンがあるのには度肝を抜かれましたさ。
しかも結局、最終的に選び取るのは、また更に別の女性という。
そんなのだと、エンディングの「ようやく結ばれましためでたしめでたし」的な
感動大団円シーンも、「どうせまたすぐ他の女にうつるんだろう」という目で
どうしても見てしまって、あまり高潔な関係であるようには
見受けられなくなってきてしまうので、そのへん、少し残念……

……と、思いきや。
と、思いきやですよ。

幾多の女性を経て、最後の最後、
結末としては、南の良い魔女グリンダと結ばれるわけですが、
いよいよのキスシーン直前、グリンダを見つめるオズの、
瞳の、真摯さといったら、あれは、特筆に価する素晴らしさのものでした。

このへん、やはり、さすがだと思います。
彼にとって、目の前にいる人間が、
今まで遊び半分で触れ合ってきたその他の女性たちとは全く別格の存在であるのだと、
その表情一つで、見ている者にまで明確にわからせる、この演技。
ここのシーンばかりは、95フランコ。

しかし、オズのもともとの人間性からするに、
この一時の感情は紛れも無い本物であったとしても、
奴は、時の経過と、その他の出会いによって、
また、いとも簡単に他の女性にもうつつを抜かす手合いなのでしょうから、
私は個人的に、
この関係に永遠性は全然見出せませんし信じることもできません。

ですが、それは物事を現実的に見た時の勝手な憶測にすぎませんので、
物語の中ではちゃんと
「二人はしあわせにくらしましたとさ」コースを辿ってくれることでしょう。





そして、この作品の、一応ヒロイン役になるのか、
南の良い魔女グリンダを演じているのは、ミシェル・ウィリアムズ。
この方のルックスに、「美しさ」という要素を見出したことがないので、
劇中でも何度も讃えられるよう「完璧な美貌」を誇るグリンダ役に彼女というのは、
はじめ聞いた時、一体、何の圧力が働いた故の事態であるのかと考えましたが、
見終わって思うのは、結果的に、
なかなか絶妙なキャスティングであったのではということ。

だいたい、グリンダって、「完璧な」も「美貌」も、
言葉上では散々冠されてはいるけれど、
その実態は、抜けているところ有、性格にも実は難有り、
美貌っちゃ美貌だけど、その肌には若干の疲労感有……というイメージが、
オズを題材にしたその他作品から完全に刷り込まれてしまっているので、
線の弛み気味のミシェル・ウィリアムズは、意外にも、そんな要素へぴったり合致。


というかあれだよね、はっきり言ってしまうと、グリンダって、
「割とおばさん気味の美人女優」が演じなきゃ、しっくりこないんですよね、きっと。


と思ったけど、ミシェル・ウィリアムズの年齢調べたら、まだ33歳だった。
そんな……。若作りしている40代にしか見え……ないのは、たぶん私だけですね。
私だけですか? そうなんですか?




それと今作の悪役は、緑の魔女……ではなく、
実の妹を緑の魔女に仕立て上げ、
影にて操る、東の悪い魔女・エヴァノラ。

レイチェル・ワイズですよ。
ハムナプトラ1の時、彼女のあまりに整った顔立ちに衝撃を受けましたが、
ハムナプトラ2のあたりで、ちょっとお顔の雰囲気が変わった気がして、
それ以降、年を重ねるごとに残念ながらどんどん私の好みからはかけ離れる
進化を遂げられていらっしゃる、ロンドンっ子レイチェル・ワイズさん。

今回は完全ヴィランズ位置でのご出演でしたが、
御年43歳、やはり注意をひかれざるをえない御容貌を誇られていらっしゃいます、
自分の好みからは外れたとはいえ、
美しいものは美しいという事実は曲げようがないようです。

冷血で、無慈悲で、自己の利欲のためだけに他人を平気で犠牲にできる、
潔いまでの悪役ぶり。
麗しい極悪人というのは、本当に見応えのある存在です。



そんなエヴァノラの妹であり、
「緑の魔女」枠、西の魔女・セオドラが、ミラ・クニス。
実の姉エヴァノラの駒として使われ、姉の私利私欲に満ちた奸計により、
本人の意図しない己のダークサイドへ落とされた挙句の緑化、という、
どちらかというと被害者の本質を多く含んだ役どころでした。

上の方で、役者とディズニー世界云々の話をしましたけれど、
この映画の中で、最もディズニー的空気をうまく纏っていたのは、
全ての点において、ミラ・クニスであったように思います。
表情の作り方とかね、目の演技とかね、まあ、主に顔だね!



とりあえず、緑の魔女のリベンジフラグもばりばり立ちまくった終わり方、
製作段階から続編の予定があったのがモロ分かりなエンディングで、
当然のように、早くも一作目劇場公開中の段階から、
続編製作決定が発表されていましたが、
期待できるかというと、正直、まあ無くてもいいかなと思っている。
そういうぐらいの、印象の、作品、だったかな、自分の、中では。


そんなことより、フランコさんのは、来年公開の
「Every Thing Will Be Fine」へ熱烈期待中。
レイチェル・マクアダムスとフランコさんの共演とか、
もう最高最上の取り合わせすぎるので、
映画全体の出来が多少悪かったとしても、別にいい。


でも実は、それよりも、同じく来年公開の
「The Interview」の方が更に期待値上なんですけどね。
セス・ローゲンとフランコさん……。
どんな作品だろうとそれだけでいいよ、話の内容とかもうどうでもいいよ。












◆Now You See Me
 (グランドイリュージョン)


NYSM.jpg


フランコつながりで、今度は弟にいってみます。

ジェームズ・フランコの実弟、デイブ・フランコくん出演最新作。


ラスベガスで大掛かりなショーを繰り広げているマジシャンチームが、
実際の銀行強盗に絡んで、
その調査担当のFBI捜査官との駆引きやらやりとりやら描いた映画。


これはかなり良かったです。


まず、俳優から見る映画を選ぶ人種である私にとっては、
主演のマジシャン4人組の顔ぶれが、
デイブ・フランコ、ジェシー・アイゼンバーグ、
アイラ・フィッシャー、ウディ・ハレルソンというだけで、
既に良い。かなり良い。相当良い。
自動的に、スタート地点からして高い評価にもなってしまうのも、
止む終えないことであるといえます。
これは仕方がありません。


ちなみに、さも「デイブ・フランコが主役」みたいな順番の書き出し方をしましたが、
それは、私の好みと、贔屓意識が前面に出てしまっただけのことであり、
実際の主演位置は、
「ソーシャル・ネットワーク」で一躍有名人のジェシー・アイゼンバーグです。
いや、本当はね、正しくはね、FBI捜査官のマーク・ラファロが主演なんでしょうけど、
私はマーク・ラファロに対して、興味を惹かれる要素を一切感じないので……
常に……今までも……そしてこれからも(予定)……


個人的な嗜好の話をすると、
たぶん、こんなことは、
この映画を見た他の誰も思うことはないでしょうけれど、
デイブくんと、ジェシー・アイゼンバーグは、配役が逆の方が、よかったな。

単純に、一見チンピラっぽくて雑魚系の空気を漂わせがちな見た目のデイブくんは、
実は組織の実権を握っているとか、性格極悪で影の支配者とか、
そういう設定に入るのがとても素晴らしいと思っていて、
一方、ジェシー・アイゼンバーグに関しては、やっぱり、他の映画でも多いけど、
ビビりでヘタレな現実主義タイプが似合っていると感じているので、
マジシャンチームのリーダー・天才マジシャンにデイブくん、
チームの一番下っ端で、マジックというより手先が器用なだけのスリ師にアイゼンバーグ、
これ。 これ、見てみたかったな。

かといって、別に、この映画のそれぞれのキャラクターについて、
私が上記にあげたような影の支配者だとかビビリ野郎だとか、
そういう直接的な属性があるわけではないので、あしからず。
なんとなく、雰囲気の話です。



映画は、「タイタンの戦い」の監督の人なんですが、
そこから想像していたより、作品自体は
遥かにスマートでスタイリッシュな出来でありました。
そして全編通して疾走感に満ちており、煌びやかでもあり、
脚本的に引き込まれる部分有り、そして驚愕のクライマックス、と、
エンターテイメント映画としてはかなり秀逸なクオリティだったのではないかと。

クライマックスに向けての伏線やら小ネタが微妙に多いので、
割と頭を使って見ないと理解できない部分もある気がしますが……


ちなみに私が一番の見所であると捉えたのは、「見せ場」であろう
マジックによるパリ銀行テレポーテーション強盗でもなく、
ホログラムラストショーでも、どんでん返しエンディングでもなく、
「デイブくん演じるジャックが、FBIにアパート襲撃され、
 やたらセコい小技アクション連発で逃げまどい、
 その後、なんとか迫力のあるカーチェイスに持ち込むも、
 橋の途中で車が横転し、ジャック爆発炎上……に至るまでの一連の流れ」
というあたりです。


ところで、気になって調べてみたら、
邦題「グランド・イリュージョン」の名前で日本公開されるのは、ちょうど本日。
まるで狙って書いたかのようにタイムリー。

映画としてもとってもおすすめですので、
皆さん是非、デイブくんの、小物感たっぷりの勇姿を楽しみましょう。
あとは、アイラ・フィッシャーがかわいいよ。
37歳だけど22歳ぐらいにしか見えないよ。











というわけで、
本当はもっといろいろな「印象の強かった映画」を挙げるつもりだったんですけど、
たった2作品の感想を書いただけで、想定外の長さになってきましたので、
フランコブラザーズ括りということにして、一先ず終了。


次回は、あれかな、
ジョセフ・ゴードン=レヴィット括りで書きたいな。


と言ってしまったから、たぶん書かないですねコレね。



とりあえず、さすがに疲れたわ、この日記。






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