曼珠沙華

Der Vogel kämpft sich aus dem Ei.

2010年02月の記事

The greatest thing you'll ever learn, is just to love, and be loved in return.



というフレーズがメインテーマらしく全編を流れている映画を観ました。
「ムーラン・ルージュ」です。



何故わざわざそれを報告するかというと、
近頃観た映画の中でも指折りの個人的クリティカルヒットだったからです。



あまり予備知識得ずに観てしまったんですが、
映画全体の、疾走感と、ドギツい色彩と、過剰なポップさと、
下手したらサイケデリックにまで分類されそうなファンタスティックな演出に、
最初から最後までものすごく既視感を覚えていたところ、
監督が「ロミオ+ジュリエット」の人だったと、観終わった後に知りました。


ちなみに、コミカルシーンが独特な人で、効果音だったり動きだったりが
若干古臭い感じがしつつも、個性的な感覚があって好きなんですが、
シリアスな箇所の演出も、劇的な引き付け方がすごく上手で、
さすがに古典のリメイクをよく撮る人なだけはあるなぁと思いますね。


古典はやっぱりドラマティック(すぎる)展開が魅力ですからね。
「ロミオ+ジュリエット」は、
ティボルト殺害後のロミオの錯乱と、
ロミオ死亡後ジュリエット致死のシーン、
このあたり本当に凄かったですよ、
たぶん人物の表情アップとスロウモーションの併用で印象的になるんでしょうけど、
更にそんな壮絶なシーンで、また叙情的で綺麗な絵を撮るんですよ。


まあ残念なのは、絵は綺麗なのにジュリエット役の方が全然綺麗じゃないってことって
おっとおっと話がズレているぞ、
でもあの方は本当に無い、ちょっと本気で映画の質を2割は貶めていたとしか私には
思えないけどこれは私の好みの話ですクレア・デーンズファンの皆さんごめんなさい。




で、「ムーラン・ルージュ」なんですけど、
とりあえず何が良かったって、結構わりあい全部良かった。
たぶん、ミュージカルでなければここまで気に入らなかったと思うけど、
ミュージカルじゃなかったとしても話の題材が面白いので相当好きになっていたはず。


しかも、オリジナルミュージカルってわけじゃなくて、
ビートルズ、エルトン・ジョン、ホイットニー・ヒューストン、マドンナ、等等の
誰もが知っているような有名曲をところどころ使用してミュージカル仕立てにしているので、
何の予備知識がなくても、エンターテイメントとして、観ていて楽しめるのが良いですね。
挙句の果てには他のミュージカル映画の曲まで持ち出してくる始末(しかも冒頭から)。
個人的にはオリジナルミュージカルの方が好きですけどねやっぱりね!!



1900年頃のパリで、キャバレー「ムーラン・ルージュ」の高級娼婦が、
文無し作家と恋に落ちたけれど、キャバレーの存続と彼女の夢の実現のためには、
好きでもない公爵と関係を持たなければいけず、その葛藤と駆け引きの中で
起こっていく悲劇、というのがだいたいのストーリーの内容なんですけど、
いやー、久々に、最初から最後まで私にとっては完璧に近かったですね。
わりと悲惨な展開があったりもしますけど、基本的にエンタメを貫いていて、
話も起伏に富み、落とすとこは落として、盛り上げるとこは大げさすぎるほど盛り上げると。


こんないかにもなミュージカル映画(何の脈略も理由付けもなくいきなり歌いだす)自体が、
ここ数十年作られた映画の中だと割と珍しいですからね。


さらには、終わりがハッピーエンドではないところにも心を奪われたと思います。
私のまわりにはハッピーエンドが好きな人が当然多いですが、
でもね、やっぱりね、実際の人生はそうはいかない場面も多いわけですよ。
実際手に入りにくいものだから、物語の中ぐらいはハッピーエンドを楽しみたいという方もいるかもですが、
私は基本的に、物語は悲劇が好きだし、終わりも明るくなくて良いです。
理由は単純で、その方がより心に響くからです。




あとは、純粋でひた向きで詩的な心を持った文系青年(若干ヘタレ)という大変私好みの
人物像である作家のクリスチャンを演じていたのがユアン・マクレガーなんですが、
これがなかなか良かった。

たぶんこの映画は、役者の魅力という面からみた感想を、
圧倒的すぎる美貌で、娼婦サティーン役のニコール・キッドマンがほとんど浚いまくってる作品だ
と思うんですが、私は前々からニコール・キッドマンがそんなに好きというわけではないので……
純真ゆえに仄暗い嫉妬に焦がされるクリスチャンの方がツボでした。


「あいつの眼差しが君の上に
 あいつの手が君の手に重なる
 あいつの唇が君の肌をさまよう
 そう思うだけでも僕は耐えられない!」


苦悩丸出しのこの歌が最高でした、辛さに身もだえするクリスチャンが見事でした。
前もどっかで書きましたけど、基本的にミュージカル曲って、
自分の苦悩とか苦痛とか願望とかひたすら一方的にぶちまける類の曲が
その作品の中でも名曲の位置を占める場合が割合的に結構高いですからね。

いやー、そういう意味でもこの曲良かったわ。
調べたら、渦中のキム・ヨナさんだったり高橋大輔さんだったりが演技のBGMに
使ったりしてたみたいなので、たぶんこの映画の中では割と人気の曲なのでしょう。

話一瞬ズレるけど、フィギュアスケートってミュージカルの曲使うこと結構多いよね。




話戻ります。
しかも、状況が状況だけに、二人の間では、
サティーンが他の男のとこに行ってもクリスチャンは嫉妬をしないように、
と半ば約束までさせられてるんですけど、当然そんなの無理なわけですね。


更にツボだったのは、これから公爵の元に行くというサティーンに対して、
英語版だと、引き止めるクリスチャンの字幕は普通に「行くな!」だったんですけど、
日本語吹き替えで観てみたら……



サティーン「公爵のところへ行かなければ」

クリスチャン「やだ!!!!!!!!







なんという駄々っ子……

まあ正直ときめきましたけどね……







あー、すごく長いこと書いてしまった。
また素敵な映画を知ることができてとても嬉しかったのです。




ちなみに、出ている俳優と、題材のチョコに惹かれて一緒に観た映画がもう一本ありますが、
そちらはなんというか微妙でした。
ハル・ベリーの「チョコレート」って映画がありましたがそれではありません。
ジョニー・デップの「チャーリーとチョコレート工場」でもありません。
上記二本に比べると、あまり観ている最中にチョコを食べたくなることもありませんでした。



まあ「チョコレート」は観たことないですけどね。
でも絶対にチョコレートが食べたくなるはず、名前からして食べたくならないはずが無い。

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