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自殺は腹が減る

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「俺たちニュースキャスター」 の二作目が、
ここ半年で見た映画の中で、正直、一番良かったので、
いろんな意味で衝撃的でした。


一作目から10年の歳月を経て作られた2作目でして、
一作目同様、日本ではまたしてもビデオスルーの冷遇でしたが、
私は1作目が大変好きだったことに加え、
今回は新キャストでジェームス・マースデンさんの登用がありましたので、
これは当然、チェックせざるを得ない注目作品だったわけです。

話の筋としては、まあ、いかにもウィル・フェレルの脚本っぽい、
適当かつベタベタのコメディ的展開だけれど、
ところどころに滲む突拍子のなさと、地味な狂気も健在で、それなりに良かったです。

まず、10年経ってるにも関わらず、メインキャストが全員続投なところが評価対象。
ただし、珍しく、純粋な 「嫌なヤツ」 キャラ担当ということで
期待していたマースデンさんに関して、
前作のヴィンス・ヴォーンが演じたライバルキャスターぐらいの、
存在感と悪役ぶりを発揮してくれるものとばかり思っていたというのに、
割とキャラが立っていたのは登場時の嫌みっぽい紹介シーンのみで、
かなり前半部分で、主人公に負かされフェードアウトしていくという、
完全なるかませ犬役だったため、そこに関しては不満ダラダラです。
ですが、「自信家のヘタレ」 という、これまでのマースデンさんには
無かった、クズっぽい脇役の、三下ぶりを見ることができたので、
それはそれで、まあ、新しいマースデンさんの発見ともいえ、
別に悪くはなかったんですけどね。


とりあえずこの作品の楽しいところは、俳優陣の魅力だと思います。
ウィル・フェレル主演作にしては珍しく、脇役のキャラの濃さ故、
主役の個性のインパクトが若干かすむレベル。
脇役というか、キャラが濃いのは、ピンポイントで、スティーブ・カレルなんですけど……

今回は、スティーブ・カレル演じる、ニュースチームのお天気担当ブリックが
やたらフューチャーされており、彼の初恋から結婚に至るまでの恋愛模様が、
サブプロットとして描かれていますが、
恋のお相手の女性も、到底まともな精神状態の持ち主とは思えぬ存在で、
明らかに常人では無い二人により繰り広げられる恋のストーリーは、
異常性のドギツさだけが目立つ割に、メインプロット側に何の関連性もなく、
完全に、ストーリー展開の腰を折る逸話としてしか成立してませんでしたので、
なぜそんな無駄な話題を織り込んできたのかは、謎です。
でもそういう、一般的な感覚からは理解できない無駄なポイントの凝り方が、
いかにもウィル・フェレル脚本ぽい偏執的雰囲気を醸し出していて、
ある意味、それもまた、味ともいえます。


しかし見ていて一番テンションがあがったのは、
今回も無駄に多い、カメオ出演の人々が出てくるシーン。
冒頭部分、テレビ局の変態っぽいお偉いさん役で、
いきなりハリソン・フォードが出てくる時点で、確実に笑います。
そして物語後半、一作品目でお馴染みの展開と化してしまった、
「急いで向かわないといけない先のある主人公ニュースチームの行く手を、
 各ライバルテレビ局のキャスターが殴り込みで阻みに入り、
 各局入り乱れて大乱闘(軽い戦争)」になるという、ハイライトシーン。
ここで、そこまでの物語とは何の脈略も無く
はじめて登場してくる 「ライバル局のキャスター」 という存在、
前作でも、いきなりベン・スティラーやらルーク・ウィルソンやら出してきて、
作品中通しても、個人的に最も盛り上がる名場面だったのですが、
今回もまたやってくれまして、しかも、出してくる人々が豪華すぎ。


イギリス公共放送BBCのキャスターにサシャ・バロン・コーエン、
スポーツチャンネルESPNにウィル・スミス、
エンターテイメントニュースに、ティナ・フェイとエイミー・ポーラー、
カナダニュースのにジム・キャリー、
そのフランス語放送にマリオン・コティヤール、
歴史チャンネルにリーアム・ニーソン、
などなど、
しかも更に、私の判別つかなかった人たちとして、
カニエ・ウェスト、ジョン・C・ライリー、キルステン・ダンストなんかも居たようで、
もうとにかく、事前知識無しで観ると、
予期せぬ人物の登場連続がおもしろすぎて、大変愉快です。


でも、正直、最も沸き立ったポイントは、そこからの流れで、
一応、今作のライバル立ち位置であるマースデンさんら一味が最終的に立ちふさがり、
主人公ニュースチームを叩きのめそうとするその瞬間、
前作のライバル、地方局チャンネル9のキャスターを演じるヴィンス・ヴォーンが
颯爽と助けに現れるシーンなんですけどね。

さすがにこの展開は、究極に盛り上がるよね。
バイクで現れた助っ人が、メット取ったら中からヴィンス・ヴォーン、の時点で、
絶対 「ヴィンス・ヴォーン キタアアアァァアァァ」 って叫ぶよね。
とりあえず私は、真夜中にも関わらず、騒いだよね。
たぶん、このシーンでここまではしゃぐのは私ぐらいのものだと思うけどね。

まあ、正直、ここが完全にクライマックスで、
その後の爆発シーンから何の理由も説明も無しに、主人公チームが無事に帰還しちゃう上、
しかも終わり方が、前述のブリックの恋愛ルートのハッピーエンドで閉められるものですから、
エンディングとしては、締りの無いぞんざい終幕としかいいようがありませんが、
その辺の唐突な展開のいい加減さや、いきなりやる気失ってグダグダになる感じも、
何回もしつこいですけど、ウィル・フェレルっぽくて、私は割と好きです。




と、そのような映画だったもので、
私の感想日記も、このように、間延びした、薄い中身の記事になってしまうわけですが、
それも止むを得ない結果なんじゃないかと思っています。
久々の映画感想で取り上げたのが、この作品だった時点で、
もう色々と仕方なかったんじゃないかと思っています。



とりあえず、通常のジェームス・マースデンさん好きにはオススメできませんが、
割とコアなジェームス・マースデンさん好きには推奨できる作品であるというのが、
今回の結論です。





ちなみに、次は 「俺たちスーパー・ポリティシャン」 を観ます。
感想は恐らく書きません。


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この暗黒には君は居ない

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Upside-Down.jpg


最近観た映画の中で、ダントツ良かったのものが、「アップサイドダウン」という作品。
といっても、観たのは2ヶ月ぐらい前の話です。
邦題には本当はサブタイトルついてますが、ちょっとその辺、書くとダサいので割愛。


2012年の製作映画で、
詳しいストーリーは書くのが面倒くさいのでWikipediaあたりをご参照いただきたいのですが、
超簡潔に言うと、テーマは禁断の恋、
いわゆるロミオとジュリエットジャンルのラブストーリーです。

最初にあらすじを読んだ時には、実は、私、若干、反射的に苦手意識を覚えてしまいまして、
それというのも、世界観も、設定も、ストーリーも、全部、非現実的要素が過ぎる気がして、
しかも、ファンタジーとかアニメ的な感覚よりも、
どちらかというと、チャラいライトノベル風の香りを嗅ぎ取ってしまい……
おっと、ライトノベルファンの皆様すみません、
別にライトノベルの雰囲気を軽んじているわけではなくて、私自身に、
基盤として、受け入れ態勢があまり整っていない空気であるというだけの話なんですからね!



しかし、観てみたところ、実際には、大層好みの内容でした。
主演のジム・スタージェスくん、前回、私の中で若干評価が上がっていましたが、
更にこの度、好印象が大確定。
繊細で、精神的に若干脆いけど、
度を越えた純粋さを持ち、病的に一途で、目的のためには暴挙を厭わない、
そんな主人公アダムという役柄、これは、
私にとって、こと恋愛映画においては、完全に完璧で理想的な最上キャラクターです。
これは、「トリスタンとイゾルデ」のトリスタン(ジェームズ・フランコ)を
観た時以来の、喜ばしい感激です。

そして、ジム・スタージェスくんが、合うんですよ、また、この役柄に。
もともと役者としてはそういう素質の雰囲気がありましたけど、
前回観たアクロス・ザ・ユニバースは、ちょっと誠意の欠けたダメ人間らしさが目立つ役柄で、
そこが若干残念だったんですよね。
その点、アップサイドダウンは、役者としても役柄としても、もう文句なし、言うことなし。


ただし、相手役のヒロインが……キルステン・ダンスト。
ああ、キルステン・ダンスト。
元来彼女が好みでない私は、どれだけこの方の出ている映画を観ようとも、
まったく微塵も、「あれ、ちょっといいじゃん」ぐらいにも
感じることの出来ない歴史を辿っているので、ここのキャスティングに関しては、
心底残念と言う以外にありません。

この辺、前述の「トリスタンとイゾルデ」のヒロイン、
イゾルデについても全く同じ類の感想を抱いています。
あ、あとはディカプリオ版「ロミオ+ジュリエット」のジュリエットもそうだったわ。
本当に、これだけ素晴らしい話の、素晴らしい内容で、
素晴らしい主人公と主演の俳優が重なっておきながら、
なぜ肝心のヒロインが、いったいどうして、何を考えて、
まったく、そこさえ違えば、あとはそこだけだったのに、
などと、勝手に、悔やみきれないほどの歯がゆさを覚え続けているのですが、
しかしそのあたりは完全に私の好きなタイプの問題の話で、
世間的には何事もなく普通に受け入れられているきらいもありますから、
まあしつこくゴチャゴチャ言う気もありませんけど、
でも、もったいないよなあ、本当、そこさえ良ければなあゴチャゴチャ。

アップサイドダウンで言ったら、例えば、ヒロイン・エデンの理想としては、
クリステン・スチュワートちゃんとか。アレクシス・ブレデルちゃんとか。
とにかく、主人公が10年間も忘れることができず、
命を賭してまで会いに行くほどの相手なのですから、
それ相応の魅力 (外見だけの話でなく) がある子でないと、
どうも納得できないというか、釈然としないというか、
物語としての完成度に欠けてしまうというか、
ああ、でも、だから、すみません、私の好みの問題だけの話ですね、
すみませんでしたハイハイすみませんハイハイ




しかし、土台が同じということで
「ロミオとジュリエットジャンル」などと一括りにしましたけれど、よくよく考えて見ますと、
ロミオとジュリエットは、
所詮出会ってから3日か4日以内で全てが始まって終わっている規模の話ですから、
全体的なスケールでいうと、こちらは、もう全く相容れない深さの話になってくるわけです。

私は昔から、ロミオとジュリエットを題材にしたものが総合して好きでして、
原作、映画、ミュージカル、オペラ、と、
それぞれ割合ディープなレベルで網羅しているのですが、
とりあえず、ロミオとジュリエットの2人の、
愚かで浅はかなお子様人格については、今まで、評価した試しがありません。
ジュリエットなんて、
ただの、恋に恋するお年頃で、相手なんて誰であろうが良かったのでしょうし、
ロミオにいたっては、ジュリエットに出会う数時間前まで、違う女にお熱で
「彼女のためなら死んでもいい」とか平気で抜かしてたようなマセガキですからね。
まあ、そんな悪口を連ねても、
なんだかんだで結局好きなんですけどね、ロミオとジュリエットは、
それは作品としてね、色々秘めているポテンシャルにはやはり凄いものがあるのでね。



話を戻すと、画像は、映画のワンシーンのキャプチャです。
反発しあう重力世界に生きる2人が、
岩を屋根に利用して、浮かびながら抱き合うシーンですが、
ここのところ、おそろしいほどに麗しい絵として演出されています。
2人の互いの思いが真摯であり、真実であることが確実に描かれた後の出来事なので、
より意味のあるシーンとして捉えられて、いっそう、映像美に凄味が増します。
これがもしロミオとジュリエットだったら……
おまえら恋だの愛だの言ってる自分に酔ってるだけだろ 恋愛脳お疲れ様です、
という印象で片付けられるところですけれど、
やはり10年越しの思いともなると、重みが感じられますね。


あれ、なんか、結局、ロミオとジュリエットを貶める方向でまとまってきてますね、これ。
おかしいな、本当に好きなんだけどな、ロミオとジュリエット。
ロミオとジュリエット(を題材にした作品)に、一部、人生変えられたぐらいなんだけどなあ。



よし、ヴェローナに行こう!




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The cold never bothered me anyway

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3/14日本公開の新作ディズニー映画「アナと雪の女王」
主題歌「Let It Go」


世間では、WickedのDefying Gravityに、
曲調といい展開といい歌詞の内容といい、似ている面が多い等と言われているようですが、
確かに、いろいろな箇所においてDefying Gravityぽいですね。

とりあえず、このエルサ女王の役柄自体が、Wickedのエルファバとかぶる部分が多い。
生まれつきの魔法の力が強すぎて自らでも制御がきかず、
それゆえに周りの人間に恐れられ、不幸な運命を辿る点、
大好きな妹のために、自分の人生を犠牲にしがちになる点、などなど。


この役の日本語吹き替え版は松たか子さんで、
私は東宝版「モーツァルト!」のコンスタンェ役の時から、
ミュージカルでの彼女の表現には常に一定以上の評価を抱いておりますので、
ミュージカル映画へのキャスティングという情報は非常に喜ばしいニューズだったのですが、
実際公開された動画を見てみると……

歌唱力も表現力も素晴らしいのです。
エルサのキャラクターにも合ってなくはないのです。
しかし、どことなく100%完璧!と言い切れない絶妙な違和感のようなもの拭いきれず、
その理由をさぐってみたところ、おそらく
オリジナル版がIdina Menzelだからという部分にたどり着いてしまったような気がします。
松さんはタイプとしてはIdina系ではないので……彼女はどちらかというと、
妹アナのほうをやったりすると、ディズニー映画の中ではしっくりきたかもしれません。
とはいえ、実際のアナの吹き替えは神田沙也加さんなわけですが、
こちらはほぼ完成形に近くマッチしていると思いますので、とても良い配役だと思います。
むしろ見た目もどことなく似ているから、舞台版があってもそのままいけそうな感じです。



松さんバージョン「Let It Go」



まあ、何にせよ、ミュージカル映画・ディズニー映画において、
また新たな威力ある作品の誕生となっておりますので、とてもとても期待をしております。


現在、ベトナム時間5:39なのですけれど、思わず書いてしまいました。
期待値が高まりすぎて、どこかに書き出さずにはいられなかったのです。
ベトナムはお正月休み真っ只中だから良いのです。
そんなことよりも書きたいことも言いたいこともものすごくものすごくものすごくたくさん、
だからとりあえずまたいつか。


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O that he would have but one more song to sing

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宇宙植物(字幕)_2c002009c509_fc2.com.flv_001968935


1986年製作のミュージカル映画 「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」


特に何の事前情報もなく、詳細も一切わからないまま、
ただミュージカル映画が観たいと思う一念のみで、たまたま観賞してみたのですが、
そんな観始め当初の低い期待を完全に裏切られる、なかなか衝撃的な映画でした。


監督は、スター・ウォーズのヨーダの中の人(という私の中の認識)、フランク・オズ。
つぶれかけの花屋で働く冴えない男が、
怪しい場所から買ってきた変わった植物を持ち込んだことによって、
花屋の立て直しに繋がったけれど、実はその植物は、
地球ののっとりを企んでいる、宇宙から来た人食い植物だった……
という、あらすじだけ見てもわかる通り、B級感まる出しのライトSF的ストーリー。

ヘタレ全開のダメ男主人公を演じるのは、リック・モラニスさん。
私の中では完全に「ミクロ・キッズの人」、という記憶しかないですが、
世間一般的には「ゴーストバスターズの人」、というのが通りがよいらしい。
風采の上がらないへっぽこ主人公に対して、彼の素質は、
見た目といい雰囲気といい、見事にピッタリでこれはハマり役。


しかしキャストの面でいうと、脇役にインパクトが集中しすぎていて、
若干、主演の印象が薄くなり気味な結果になってしまった感は否めません。

そんな脇役陣の中でも、度を越えた加虐趣味のアブノーマル歯医者役、
スティーブ・マーティンのキャラクターがあまりにも素晴らしいです。
どう見ても、役柄の魅力でいうと、
主役界隈を差し置いて、ここが完全に掻っ攫っていってます。
彼については、ベタベタの喜劇演技とか、野暮ったさすら漂わせるほどの大げささとか、
どうやら人によっては割りと好き嫌いが分かれる俳優さんのようですけれど、
実は私は、スティーブ・マーティン、もともと結構好きなんです。
しかし、今まで見たスティーブ・マーティンの中でも、これは群を抜いてよかったな。
物語中盤で、宇宙植物のエサにされちゃうので(しかし死因は笑気ガスの吸いすぎ)、
出番もそこまでしかないわけですが、とりあえず役柄として大変に特殊で存在感大。
スティーブ・マーティンの演技も、
何回も繰り返し見たいぐらいにキャラが立っていて良い。

ちなみに、登場人物の中で次点にて評価したいのは、
そんな歯医者にかかりにくる、度を越えた被虐趣味の変態患者役。(なかなかの端役)
役者はビル・マーレイなので、こんな役に対して割と豪華な使い方と言えるでしょう。
ここも変質者演技が突き抜けていて素晴らしく、正直言って、全編通した中で、
ドSの歯医者とドMの患者の、壮絶治療シーン(5分ほど?)が、
最も見ごたえがあり、かつ印象的な場面であったと感じております。
ちなみにそこについては、ミュージカルパートは一切含んでおりません。



そして、何故かこのように、脇役変態共絶賛の話から入ってしまいましたが、
それどころか、やつらのシーンが作中一番良かったなどと発言してしまいましたが、
実は、私がこの映画について最も衝撃を受けた部分というのは、
そこではなかったのです。

では何に心を動かされたのかと言うと、
何といっても、最初から、最後まで、
歌シーンの、
楽曲の、
クオリティが、
高い!!!!!

大げさな言い方ではなく、文字通り、最初から、最後まで、
全部の曲において、ハズレ無しという、
大体一つのミュージカル作品において3割でもアタリ曲があれば上等だと思っている中、
まさかの10割当たり。
物語の中盤辺りからは、もはや、次の歌シーンの来るのが楽しみで仕方がなくなるほど。


言うなれば、すべての曲の作られ方が、
完璧すぎるほどに「ミュージカル曲」なんですよね。
ロックミュージカルとかジャズミュージカルとか、
ライトなポップスミュージカルとか、いろいろ系統のジャンルはありますけれど、
これに関しては、純度100%の全力ミュージカルという感じ。
ミュージカルのミュージカルとしての魅力を最大に生かしたミュージカル曲ばかり。

その徹底したミュージカルセンスに、映画が終わる頃には感動すら覚える始末。
物語の内容的には、挙げた通りB級のホラーコメディ?ですので、
感動を喚起するような場面はさほど無いにも関わらず、この衝撃。


それ故、観賞終了と同時に、満を持して映画の詳細を調べてみたところ、
その天才的センスの持ち主である作曲者名を見た瞬間に、
高品質の理由を一発で理解することとなりました。

作曲者、ディズニー映画の有名曲を軒並み担当されていらっしゃる、
かのアラン・メンケン氏ではないですか!!!!

まさか、こんな場面でお名前を拝見するとは露ほどにも思っておりませんでした。
というかわたくしは、日ごろよりアラン・メンケン氏のソングライティング能力に
常に魅せられながら生きておりますが、別段彼に詳しいわけでもありませんので、
このようなちょっとカルト的空気の変り種映画に関わっていらっしゃるということ自体、
この場で初めて知ったというのが事実です。


さすがです。
さすがという以外無いほどにやってくれています。
彼のもともと持つ「ミュージカル感」について、
完璧なまでに徹底した才能を、またもや思い知らされました。
世間でミュージカルの巨匠と言われている
アンドリュー・L・ウェイバーなど目ではありません。
いや、すみません、それは単純に私の好みでないだけの話でした、すみません。
私の中では今や、この世においての「ミュージカル感」の天才は完全に
アラン・メンケンかシルヴェスター・リーヴァイかで確立されきってきました。


というわけで、わたくしは今後、是非、アラン・メンケン的な方向性の楽曲にて、
例のミュージカル作品を作ってまいりたいと考えておりますので、
何卒よろしくお願い申し上げます。




しかしとりあえず一つだけ映画の難点を挙げるとすると、
宇宙植物の唇がやたらリアルで気持ちが悪いという点。
あとは、ヒロイン役の女優さんがちょっとおばさんすぎるという点。
それと、ヒロイン役の女優さんが純粋に好みでないという点。
ついでに言うと、ヒロイン役の女優さんが細すぎるのか輪郭が変なのか知らないけど、
彼女が写るたびに、なんかアスペクト比狂ってるような錯覚に陥らされるという点。

一つじゃなくなったけど大目に見てください。
おすすめなんです。


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最近見た映画 (フランコ兄弟の巻)

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ブログの管理画面を眺めていたら、
カテゴリ「映画」の日記が、もう1年以上も書かれていないことに気がつきました。
きつねさんの記事を最後に、ぱったりと筆が止まっております。


そのようなことから、かつて、
自宅に映画専門チャンネルの引かれていた時代に比べると、現在は、
日ごろ、映画を見られる機会自体が減っているのかと思ってしまいそうなのですが、
実を言うと、そんなこともないのです。
というよりむしろ、ベトナムに来てからは、
日本に居た頃よりも、日常的に映画に触れる頻度は間違いなく上がっています。


私は見た映画をいつも日記につけているため、今、
ベトナムにおいて鑑賞した映画の本数を数えてみたところ、
一番多い月(4月)で、一ヶ月に22本を見ていました。
次点は8月で19本。
その他の月も、それにほぼ追随。

見る数が多いと、その分、
面白いものにも、面白くないものにも、それぞれたくさん出会いますが、
近頃見たなかで、印象の強かったものをいくつか挙げてみようかと思います。







◆Oz :The Great and Powerful
 (オズ はじまりの戦い)

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「オズの魔法使い」の魔法使いオズを主人公として、
ドロシー達がたどり着くよりも前のオズの国を描いたディズニー作品。


これは、映画館で見ることで、その映像美がより威力を持つのだろうと思います。
何と言っても、色彩の鮮やかさが圧巻。
同系列として、ディズニーのファンタジーとしては
「アリス・イン・ワンダーランド」などがありますが、
異世界の作り方としては、アリスよりずっと上手く完成している気がしました。


主人公のオスカー・ディグズ(ジェームズ・フランコ)は、
「オズの国を救う偉大な魔法使い」として国に語り継がれた予言の人物として、
この世界に降り立ちますが、その実態は、
ただの胡散臭くてチャラい、女好きの奇術使いペテン師。


はじめはフランコさんではない役者が続々オファーされていたところ、
軒並み折り合いがあわず、
めぐりめぐって、依頼が彼までやってきたという話もありますが……
そんな噂を聞いてしまうと、
製作側からすると妥協の末のキャスティングだったのではという、
余計な懸念を抱えながらの視点になってしまいましたけれど、
封が切られてみれば、世間では割合好評のようだったので、
結果よければすべてよしですね。

コミカルな演技もできて、
この役を演じる際に必要であろう、絶妙なノリの軽さも元々併せ持っているので、
なんだかんだで、オズ役には適役だったし、
違和感を覚えるようなところは、どこも無かったのですが、
しかし個人的には……
フランコさんの魅力が完全に発揮されているという
状態の単位を100フランコとするならば、
今回のオスカー・ディグズは、74フランコといったところ。


少し脱線しますが、フランコさん出演映画の中で、
私の好きなものにランクをつけるならば、下記の通り。

「トリスタンとイゾルデ」 99フランコ
「スモーキング・ハイ」  98フランコ
「ロード・オブ・クエスト」 97フランコ

また、その他出演作のうち、有名なところでいうと、

「スパイダーマンシリーズ」69フランコ
「127時間」          68フランコ
「猿の惑星:創世記」    41フランコ


あえて役の系統を分類するのであれば、
トリスタンとイゾルデ・スパイダーマン・猿の惑星 (真面目堅物タイプ)と
スモーキングハイ・127時間 (陽気ハイテンション向こう見ずタイプ)
とに分かれていますから、
こうして見ると、役柄の方向性と、私の好みに、
必ずしも同一の傾向があるわけでもないということが判明します。

ちなみに、「ロード・オブ・クエスト」は、
(容姿端麗な優等生王子様で天然ボケの阿呆タイプ)、という、
他に類型を見出すことが難しい特殊キャラクターとなっておりますので、別枠。




しかし今回のオズに関しては、
主演なだけあって、画面へクローズアップされること多々、
キャラを立たせた演技や表情がたくさん見せてもらえることはいいのですが、
なんというか……全体的に……
クリーンすぎるんですよね。
性格的には「善良さ」の足りない欠陥だらけの人間であるはずなのに、
そういう輩が匂わせる、汚さやら影やらいやらしさやらに欠けるというか……。

思うに、これも、
配給:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ 
という点が、少なからず影響しているような……。


出だしの時点から感じていたことで、
実はこれは実際に見てみて意外だったのですが、
フランコさんは、ディズニー世界に溶け込むには難しい性質の役者であると思います。
役の作りこみ方や演技力においては、
溶け込むにいたるまでの障害が無いにも関わらず、
どうも、映画の中でそれが完全なものとして捉えられないことから考えるに、
もともと持っている本質が、ディズニーのそれとは相容れないのではないでしょうか。

「魔法にかけられて」のエイミー・アダムスとジェームス・マースデンなどは、
入り込み方も馴染み込み方も異様なものがありましたけれど。


ちなみに、当初フランコさんの前にオズ役のオファーがいったらしい、
近頃ディズニーづいているジョニー・デップあたりも、
あまりディズニー属性を感じとることのできない役者の一人です。
とはいっても、「パイレーツオブカリビアン」も、「アリスインワンダーランド」も、
「オズ」や「魔法にかけられて」のように
「ディズニーアニメの世界感をそのまま実写にしました!」
というコンセプトではないので、さほどの問題もなかったように思いますが。
最新作「ローンレンジャー」は、見ていないから、わからないですけどね。




そういったわけで、
「悪いことは何もなかったけど、目だって良いわけでもなかった」という
中途半端な評価に終始する羽目となってしまった、今回のオズフランコ。

しかし、常日頃から、彼においては「騎士」もしくは「王」の役柄を
至上のものとして熱望し続けている私にとって、
若干路線外れとはいえ、
「王」として玉座へ一瞬でも腰を下ろす彼の姿を見ることができたのは、
ひとまず、少なくとも、眼福ではありました。

まあ、なんだかんだ言ったけど、
この映画中通して、純粋に見た目の面だけで言ったら、総じて良かった。
特に髪型が良かった。
あと、髭も良かった。
笑顔の表情が多かったのは、ダメ。
やっぱり笑顔はダメ。




しかしこのオズ、なかなか病的な女たらしの気があって、
映画開始後30分の時点で、
3人の女性とのキスシーンがあるのには度肝を抜かれましたさ。
しかも結局、最終的に選び取るのは、また更に別の女性という。
そんなのだと、エンディングの「ようやく結ばれましためでたしめでたし」的な
感動大団円シーンも、「どうせまたすぐ他の女にうつるんだろう」という目で
どうしても見てしまって、あまり高潔な関係であるようには
見受けられなくなってきてしまうので、そのへん、少し残念……

……と、思いきや。
と、思いきやですよ。

幾多の女性を経て、最後の最後、
結末としては、南の良い魔女グリンダと結ばれるわけですが、
いよいよのキスシーン直前、グリンダを見つめるオズの、
瞳の、真摯さといったら、あれは、特筆に価する素晴らしさのものでした。

このへん、やはり、さすがだと思います。
彼にとって、目の前にいる人間が、
今まで遊び半分で触れ合ってきたその他の女性たちとは全く別格の存在であるのだと、
その表情一つで、見ている者にまで明確にわからせる、この演技。
ここのシーンばかりは、95フランコ。

しかし、オズのもともとの人間性からするに、
この一時の感情は紛れも無い本物であったとしても、
奴は、時の経過と、その他の出会いによって、
また、いとも簡単に他の女性にもうつつを抜かす手合いなのでしょうから、
私は個人的に、
この関係に永遠性は全然見出せませんし信じることもできません。

ですが、それは物事を現実的に見た時の勝手な憶測にすぎませんので、
物語の中ではちゃんと
「二人はしあわせにくらしましたとさ」コースを辿ってくれることでしょう。





そして、この作品の、一応ヒロイン役になるのか、
南の良い魔女グリンダを演じているのは、ミシェル・ウィリアムズ。
この方のルックスに、「美しさ」という要素を見出したことがないので、
劇中でも何度も讃えられるよう「完璧な美貌」を誇るグリンダ役に彼女というのは、
はじめ聞いた時、一体、何の圧力が働いた故の事態であるのかと考えましたが、
見終わって思うのは、結果的に、
なかなか絶妙なキャスティングであったのではということ。

だいたい、グリンダって、「完璧な」も「美貌」も、
言葉上では散々冠されてはいるけれど、
その実態は、抜けているところ有、性格にも実は難有り、
美貌っちゃ美貌だけど、その肌には若干の疲労感有……というイメージが、
オズを題材にしたその他作品から完全に刷り込まれてしまっているので、
線の弛み気味のミシェル・ウィリアムズは、意外にも、そんな要素へぴったり合致。


というかあれだよね、はっきり言ってしまうと、グリンダって、
「割とおばさん気味の美人女優」が演じなきゃ、しっくりこないんですよね、きっと。


と思ったけど、ミシェル・ウィリアムズの年齢調べたら、まだ33歳だった。
そんな……。若作りしている40代にしか見え……ないのは、たぶん私だけですね。
私だけですか? そうなんですか?




それと今作の悪役は、緑の魔女……ではなく、
実の妹を緑の魔女に仕立て上げ、
影にて操る、東の悪い魔女・エヴァノラ。

レイチェル・ワイズですよ。
ハムナプトラ1の時、彼女のあまりに整った顔立ちに衝撃を受けましたが、
ハムナプトラ2のあたりで、ちょっとお顔の雰囲気が変わった気がして、
それ以降、年を重ねるごとに残念ながらどんどん私の好みからはかけ離れる
進化を遂げられていらっしゃる、ロンドンっ子レイチェル・ワイズさん。

今回は完全ヴィランズ位置でのご出演でしたが、
御年43歳、やはり注意をひかれざるをえない御容貌を誇られていらっしゃいます、
自分の好みからは外れたとはいえ、
美しいものは美しいという事実は曲げようがないようです。

冷血で、無慈悲で、自己の利欲のためだけに他人を平気で犠牲にできる、
潔いまでの悪役ぶり。
麗しい極悪人というのは、本当に見応えのある存在です。



そんなエヴァノラの妹であり、
「緑の魔女」枠、西の魔女・セオドラが、ミラ・クニス。
実の姉エヴァノラの駒として使われ、姉の私利私欲に満ちた奸計により、
本人の意図しない己のダークサイドへ落とされた挙句の緑化、という、
どちらかというと被害者の本質を多く含んだ役どころでした。

上の方で、役者とディズニー世界云々の話をしましたけれど、
この映画の中で、最もディズニー的空気をうまく纏っていたのは、
全ての点において、ミラ・クニスであったように思います。
表情の作り方とかね、目の演技とかね、まあ、主に顔だね!



とりあえず、緑の魔女のリベンジフラグもばりばり立ちまくった終わり方、
製作段階から続編の予定があったのがモロ分かりなエンディングで、
当然のように、早くも一作目劇場公開中の段階から、
続編製作決定が発表されていましたが、
期待できるかというと、正直、まあ無くてもいいかなと思っている。
そういうぐらいの、印象の、作品、だったかな、自分の、中では。


そんなことより、フランコさんのは、来年公開の
「Every Thing Will Be Fine」へ熱烈期待中。
レイチェル・マクアダムスとフランコさんの共演とか、
もう最高最上の取り合わせすぎるので、
映画全体の出来が多少悪かったとしても、別にいい。


でも実は、それよりも、同じく来年公開の
「The Interview」の方が更に期待値上なんですけどね。
セス・ローゲンとフランコさん……。
どんな作品だろうとそれだけでいいよ、話の内容とかもうどうでもいいよ。












◆Now You See Me
 (グランドイリュージョン)


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フランコつながりで、今度は弟にいってみます。

ジェームズ・フランコの実弟、デイブ・フランコくん出演最新作。


ラスベガスで大掛かりなショーを繰り広げているマジシャンチームが、
実際の銀行強盗に絡んで、
その調査担当のFBI捜査官との駆引きやらやりとりやら描いた映画。


これはかなり良かったです。


まず、俳優から見る映画を選ぶ人種である私にとっては、
主演のマジシャン4人組の顔ぶれが、
デイブ・フランコ、ジェシー・アイゼンバーグ、
アイラ・フィッシャー、ウディ・ハレルソンというだけで、
既に良い。かなり良い。相当良い。
自動的に、スタート地点からして高い評価にもなってしまうのも、
止む終えないことであるといえます。
これは仕方がありません。


ちなみに、さも「デイブ・フランコが主役」みたいな順番の書き出し方をしましたが、
それは、私の好みと、贔屓意識が前面に出てしまっただけのことであり、
実際の主演位置は、
「ソーシャル・ネットワーク」で一躍有名人のジェシー・アイゼンバーグです。
いや、本当はね、正しくはね、FBI捜査官のマーク・ラファロが主演なんでしょうけど、
私はマーク・ラファロに対して、興味を惹かれる要素を一切感じないので……
常に……今までも……そしてこれからも(予定)……


個人的な嗜好の話をすると、
たぶん、こんなことは、
この映画を見た他の誰も思うことはないでしょうけれど、
デイブくんと、ジェシー・アイゼンバーグは、配役が逆の方が、よかったな。

単純に、一見チンピラっぽくて雑魚系の空気を漂わせがちな見た目のデイブくんは、
実は組織の実権を握っているとか、性格極悪で影の支配者とか、
そういう設定に入るのがとても素晴らしいと思っていて、
一方、ジェシー・アイゼンバーグに関しては、やっぱり、他の映画でも多いけど、
ビビりでヘタレな現実主義タイプが似合っていると感じているので、
マジシャンチームのリーダー・天才マジシャンにデイブくん、
チームの一番下っ端で、マジックというより手先が器用なだけのスリ師にアイゼンバーグ、
これ。 これ、見てみたかったな。

かといって、別に、この映画のそれぞれのキャラクターについて、
私が上記にあげたような影の支配者だとかビビリ野郎だとか、
そういう直接的な属性があるわけではないので、あしからず。
なんとなく、雰囲気の話です。



映画は、「タイタンの戦い」の監督の人なんですが、
そこから想像していたより、作品自体は
遥かにスマートでスタイリッシュな出来でありました。
そして全編通して疾走感に満ちており、煌びやかでもあり、
脚本的に引き込まれる部分有り、そして驚愕のクライマックス、と、
エンターテイメント映画としてはかなり秀逸なクオリティだったのではないかと。

クライマックスに向けての伏線やら小ネタが微妙に多いので、
割と頭を使って見ないと理解できない部分もある気がしますが……


ちなみに私が一番の見所であると捉えたのは、「見せ場」であろう
マジックによるパリ銀行テレポーテーション強盗でもなく、
ホログラムラストショーでも、どんでん返しエンディングでもなく、
「デイブくん演じるジャックが、FBIにアパート襲撃され、
 やたらセコい小技アクション連発で逃げまどい、
 その後、なんとか迫力のあるカーチェイスに持ち込むも、
 橋の途中で車が横転し、ジャック爆発炎上……に至るまでの一連の流れ」
というあたりです。


ところで、気になって調べてみたら、
邦題「グランド・イリュージョン」の名前で日本公開されるのは、ちょうど本日。
まるで狙って書いたかのようにタイムリー。

映画としてもとってもおすすめですので、
皆さん是非、デイブくんの、小物感たっぷりの勇姿を楽しみましょう。
あとは、アイラ・フィッシャーがかわいいよ。
37歳だけど22歳ぐらいにしか見えないよ。











というわけで、
本当はもっといろいろな「印象の強かった映画」を挙げるつもりだったんですけど、
たった2作品の感想を書いただけで、想定外の長さになってきましたので、
フランコブラザーズ括りということにして、一先ず終了。


次回は、あれかな、
ジョセフ・ゴードン=レヴィット括りで書きたいな。


と言ってしまったから、たぶん書かないですねコレね。



とりあえず、さすがに疲れたわ、この日記。






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